傍ら  かたわら












「忍人さん、こっちですよ!」


いつものように元気な声で、自分を呼ぶ声。


風に髪を靡かせながら、こちらに満面の笑みを見せる。


「いい景色ですね…」


丘から見える景色を眺め、彼女はそっと、忍人に寄り添う。






あとどのくらい、この笑顔を見ることが出来るのだろう。






ふと、そんなことを思う。



この少女を守りたくて。

支えたくて。

傍にいたくて。

愛おしくて。



だが、その願いは叶わないかもしれない。






ふと、その横顔を見つめる。


「…? どうしたんですか?」


「…あまり身を乗り出すと危険だ」


そっと、その身体を抱き寄せる。


その温もりを、少しでもこの腕に感じたかったのだ。


「忍人、さん…?」






華奢な身体。


今にも壊れてしまいそうなこのか細い身体で、
この少女は中つ国を統べる王としての新たな運命を背負うのだ。


少しでも永く、
この少女の重荷を共に背負うことが出来たらと…そう思う。


この命果てるまで、この少女のために生きたいと…そう思う。






「…千尋」


ふいにその名前を呟く。


「きっと、君は素晴らしい王になる。今までに無い、新しい王に…」


真剣な忍人の瞳を、千尋は静かに見つめる。


「俺は…誓おう。今、君に…」


跪き、忍人は静かに千尋の手を取った。






そして。


そっと、その手に唇を寄せる。






「俺は、どんな時も君の傍にいる。この命尽きるまで、ずっと…」






何よりも大切で…愛おしい。


例えこの命を引き換えにしても、
この少女だけは…守りたいと、そう思う。


無鉄砲で、おてんばで。


だが優しく…強い少女。






忍人は、静かに誓う。


若き王に、永遠の忠誠を       

















初、遙か4創作でっせv
忍人は布都彦くらい忠誠心深そうですよね。
だから、好きでもそれを言葉には出さなくて…傍にいることでそれを表す感じ。
初回EDがやばかったので、あんまり甘くなれなかった…!!
なんか切ない路線まっしぐら…(苦笑)














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