君を好きになる  きみをすきになる         *忍人独白*












俺は、君のために生きてみたい。



そう告げた時の彼女の笑顔を、忍人はまだ覚えている。

嬉しそうに…幸せそうに、
今にも泣き出してしまいそうだった。

そんな彼女が愛おしくて、愛おしくて。

人はこんなにも人を愛せるのだと、そう思った。








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ふと、忍人は目を覚ます。


隣に視線を移せば、小さな寝息を立てる温もり。


この寝顔を見るだけで、胸が暖かくなる。


そっと、その頬に触れてみる。


この手に伝わる温もりが、
この瞬間は夢ではないのだと教えてくれた。








ようやく訪れた平穏に、
忍人はまだ夢を見ているような錯覚を覚える。

彼女と過ごす時間があまりにも幸せで。

こんなに幸せな瞬間(とき)が続いていいのかと、
未だに不安になってしまうのだ。

平穏な日々が訪れたことで彼女と過ごす時間は減ってしまったが、
その分、新しい彼女を知ることも出来た。



色んな彼女を知り、愛おしさが増していく。

不思議なことに、今までよりも深く…彼女を好きになっていく。

想いが、深くなる。








「忍人さん…?」


ふいに声をかけられ、忍人は我に返る。


気付けば、千尋がいつもの笑顔でこちらを見つめていた。


「起こしてしまったか?」


「いつも起きる時間ですから」


気にしないでください…と微笑む千尋の頬に、
軽く口付けを落とす。


「休みの日ぐらいゆっくりすればいい」


「忍人さんもお休みなのに、二度寝なんて勿体ないですよ」


どこか嬉しそうに声を弾ませる千尋の姿に、思わず口元が緩む。


そんな些細なことですら嬉しくて、幸せでたまらない。


「…そうだな。折角休日に早起きしたんだ、どこかに出かけるか?」


「いいんですか?」


「あまり遠出は出来ないが…」


「それでもいいですっ!」


がばっと飛び起きるように、腕の中から離れていく千尋。


温もりが離れてしまったことに少し寂しさを感じるが、
千尋の嬉しそうな姿にこちらも嬉しくなってしまう。


「どこに行きましょうか? 近場でも良い場所はいっぱいありますよね!」


「そうだな……君の行きたい場所で良い」


目を輝かせる千尋に、
クスクスと笑みを浮かべながら忍人はゆっくりと起き上がる。









訪れた幸福な時間。

きっと、また彼女を好きになっていく。

まだ、彼女を好きになれる。



これからも、ずっと     

















忍人視点で幸せ系な創作を書いてみました!
しかも、BGMは紅白でも歌われた某女性演歌歌手の某お酒のCMソング(笑)
あれってめっちゃ忍千ソング…!!!そう考えるとめっちゃ泣けるんですよね…!

戦が終わってから、忍人はきっと千尋にいろんな面を見せてくれてると思うんです。
その分、きっと千尋も今までとは違った忍人にしか見せない面もいっぱい見せてるんじゃないかと。
そんなふとした妄想から出来たお話w














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