きらきら
  きらきら












生きて欲しい。



そう、願った。

この命を削っても、この運命を選んでよかったとそう思う。



何気ない景色でさえも、いっしょにいるだけで全てが輝いて見える。

世界はこんなに美しかったのだと、そう思える。










「ゆきちゃん…?」


どうかしたの?


そう首を傾げる桜智に、ゆきはふわりと微笑んだ。


「桜智さんと一緒にいられて、幸せだなって思っていたの」


「…っ…ゆきちゃん…っ」


ふいに背を向けた桜智は、
胸元から取り出したノートにさらさらと書き込んでいる。


始めはすごく不思議だったけれど、今なら良くわかる。


あれは、自分が愛されているという証。


その姿を幸せそうに眺めていると、
書き終わったのであろう桜智とふと目が合った。


「書き終わった?」


「う…うん。ありがとう…」


「どういたしまして…?」


いつものように、決まったやり取り。


その瞬間でさえも嬉しくて、つい口元が綻んでしまう。


「ゆきちゃん…」


「なぁに?」


「その…私も、キミと一緒にいられて…幸せだよ」


ためらいがちに、桜智の手がゆきへと伸ばされる。


時間をかけ、ゆきの身体は桜智の腕に包まれた。










こうして、触れてくれるようになった。

そのことが嬉しくてたまらない。



大好きな人の温もりは、こんなにも幸せで暖かい。










「…桜智さん、大好き」


ふわりと微笑み、ゆきはその大きな背に腕を回した。


















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