14.甘い媚薬 景時×望美 / 甘々
気持ち良さそうに、穏やかに眠る君。
腕の中のこの温もりが、夢ではない事を教えてくれる。
景時さんは強い人です。
いつだって、君は俺の背中を押してくれた。
私は、景時さんを信じてますから。
いつだって、君は俺を信じてくれた。
こんな俺を、君は好きだと言ってくれた。
「ん…」
まだ眠たそうに、君は瞳を開いた。
「おはよう、望美ちゃん」
「おはようございます」
まるで赤ん坊のようにふわりと微笑み、俺の背に腕を回す。
その胸から、伝わる鼓動。
暖かくて、愛おしい。
その身体を俺はぎゅっと抱き締めた。
その温もりを、もっと感じていたくて。
その身体を離したくなくて。
「景時さん…?」
「…好きだよ、望美ちゃん」
耳元でそっと囁く。
何度言っても足りないほど、君が愛おしい。
「私も…大好きです」
花のように、君は微笑む。
その笑顔が嬉しくて、俺はその桜色の唇に口付ける。
永く、深く。
唇が離れると、君の唇からは甘い吐息が零れた。
「朝…なのに…」
「朝だから…ね」
にっこりと笑み、俺は囁く。
また君を抱きたいんだけど…いいかな?
俺の言葉を聞いた君の顔が、見る見る赤くなる。
「そんなこと…いちいち聞かないでくださいっ」
恥ずかしそうに、君は俺の胸に顔を埋める。
その姿も、とても可愛くて仕方がない。
君の全てを知りたくて、俺はその白い肌に赤い花を散らしていく
俺の、甘い媚薬 。
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